次のグラフは、世界全体の温室効果ガス(GHG)のセクター別の排出量です。Our World in Dataが2016年の二酸化炭素の排出量494億トンの内訳を算出し、2020年に発表したものです。
Scource:https://ourworldindata.org/ghg-emissions-by-sector
グラフの通り、GHGのセクター別排出量は、エネルギー使用(73.2%)、農林業および土地利用(18.4%)、工業プロセス(5.2%)、無駄遣い(3.2%)となっており、エネルギー分野が全体の7割以上を占めています。つまり、2050年のNet-Zeroの実現に向けては、私たちが使っている電気のエネルギーを含め、エネルギー分野の脱炭素化をどう実現していくかが重要なポイントとなっています。
さらにエネルギー分野の主な内訳は、輸送分野(16.2%)、建物分野(17.5%)、産業エネルギー分野(24.2%)であり、その中で大きな割合を占めるのが、輸送分野の道路(11.9%)、建物分野の住居(10.9%)における温室効果ガスの排出です。
輸送分野の道路については、何十億もの人々が利用しているガソリン車やディーゼル車が主な要因となっています。また建物分野の住居については、国連ハビタットの報告https://unhabitat.org/topic/energyにおいても、都市部が世界の一次エネルギーの75%を消費していることを示していますが、都市化が進んでいく中で、さらにエネルギー分野における住居の割合が増えていく可能性があります。
上記を踏まえて、次回以降の記事で、1,Net-Zero・カーボンニュートラルの定義、2.日本のエネルギー計画、3.輸送分野・EV車、4.都市化の現状・住居のエネルギーについて深掘りしていきたいと思います。